2021/12/11 22:17


Emita Luzでは、商品に合わせて3つの工場に製作を依頼しています。

その中の1つは、20年程の歴史がある工場で、200エーカー(東京ドーム約17個分)の敷地で12万匹のクロコダイルを繁殖・飼育しています。

クロコダイル革を製作する作業工程は大きく分け4つ。「準備工程」「鞣し工程」「染色」「仕上げ工程」

■準備工程:原皮を鞣し工場へ運ぶため、塩漬け又は乾燥させる。鞣し工場では、皮を元の状態に戻す為に塩分や皮についた不要物を取り除く為に水に浸け、不要な鱗や脂肪分解の為、消石灰液に付けておく。その後の工程で綺麗に鞣せるよう薬品で石灰分、酵素でタンパク質を除去。

鞣し工程:鞣しは、通常三価クロムを使用します。その前に鞣し剤を投入し、皮に行き渡るよう酸性度を調整し、耐久性を与えます。この鞣し剤により、皮が腐りにくくなる上、縮みや硬くなることを防ぎます。気温や水温によって鞣し剤の効果が全く違ってくるため、職人の腕の見せどころであり、経験値の差が出る作業でもあります。その後、皮の内側を削り厚さを一定にします。場合によっては、再度鞣し剤を投入し、風合いを調整。油剤で皮をより柔らかくします。その後、乾燥させます。

染色:様々な色を混ぜ合わせ色を作り、皮と一緒に円筒形ドラムに入れ染色していきます。他の皮革に比べて繊維構造が非常に緻密で染料が入りにくく、目的の色を出せるかどうかもタンナーの腕にかかっているのです。目的の色が出せるまで、仕上がりを確認しながらドラムを回す工程を繰り返します。後に商品の売れ行きにも関わる重要な工程でもあり、職人の腕が際立ちます。

仕上げ工程:マットやシャイニング(Glossy)加工、差し色やグラデーション加工などの仕上げ塗装が行われます。このように原皮から様々な工程を経て製品に使用できる革となるまでに50もの工程を経て、約3ヶ月ほどかかるのです。牛革や豚革のような平らな皮の場合ですと、大型の機械で終わらせる事が出来る仕上げの加工も、独特の美しい腑模様が特徴であるクロコダイル革の場合は、一枚一枚手作業で行うのです。

このように、クロコダイル皮が革になるまでの作業工程の多さや要求される高い染色技術、製品化されるまでにかかる期間や希少性、そして作業工程の一つである皮の”鞣し”も牛革や豚革の鞣しと比べると非常に繊細かつ高い技術が必要で、世界でも30ほどしかないと言われています。このような点から、クロコダイル革は、他の皮革と比べ高額なのです。

職人のこだわりの高い技術と長い期間を経て完成する”革の宝石”、クロコダイル。

クロコダイルがなぜ高額なのか・・・ご理解頂けましたでしょうか?職人たちがプロセスを踏んで丁寧に育んだクロコダイル革に命を吹き込み、新たな形に生まれ変わらせ、皆様へお届けする。それがEmita Luzの責任です。